監修宅地建物取引士 松本 宗一(横浜不動産再生パートナーズ 代表取締役)
住宅ローンの返済が続けられなくなったとき、家が売られる方法には「任意売却」と「競売」の2つがあります。どちらも家を手放すことに変わりはありませんが、売れる価格や、その後の暮らしへの影響は大きく違います。6つの点で比べてみました。
そもそも、何が違うのか
競売は、債権者(金融機関など)の申立てによって、裁判所が強制的に家を売る手続きです。任意売却は、債権者の同意を得て、持ち主自身が一般の市場で家を売る方法です。
競売は「裁判所が売る」、任意売却は「自分で売る」。
この違いが、価格や引越しの時期など、さまざまな差につながります。
6つの点で比べると
01売れる価格
任意売却は相場に近い価格を目指せます。競売は相場より低くなりやすく、そのぶんローンが多く残りがちです。
02周囲への知られ方
競売は、物件の情報が裁判所の資料やインターネットで公開されます。任意売却は一般の売却と同じ形で進みます。
03引越しの時期
任意売却は、買主や債権者と相談して時期を決められます。競売は、落札した人の都合で明け渡しを求められます。
04引越しの費用
任意売却では、売却代金から一部が認められる場合があります。競売では、原則として受け取れません。
05残ったローンの返し方
どちらも残ったローンは原則残りますが、任意売却のほうが残る額を抑えやすく、返し方も話し合いやすくなります。
06手続きの進め方
競売は裁判所の日程で進みます。任意売却は、ご本人の意思で進めますが、債権者の同意と期限があります。
任意売却を選ぶときの注意点
- 債権者の同意が必要:売り出し価格や売却代金の配分について、承認を得なければ進められません。
- 時間の制限がある:競売の手続きは並行して進むため、開札の前日までが一つの目安とされています。
- 共有者の協力が必要:夫婦などの共有名義の場合は、原則として全員の同意が必要です。
- ローンがゼロになるわけではない:売っても返しきれなかった分は残り、返し方を債権者と話し合います。
競売になるまでに、まだ時間はあります
STEP 01住宅ローンの滞納
督促状・催告書が届く
STEP 02一括返済を求められる
保証会社が代わりに返済
STEP 03競売開始決定
裁判所から通知が届く
STEP 04入札・開札
ここまでが任意売却の目安
競売開始決定の通知が届いたあとでも、入札の前であれば任意売却を検討できる場合があります。ただし、買主探しや債権者との調整には時間がかかるため、できるだけ早く動き出すことが大切です。
迷っている間にも、競売の手続きは進みます。
どちらが合うかは、ローンの残り、家の価格、収入、住み続けたいかどうかで変わります。まずは今の状況を一緒に整理しましょう。
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