不動産のご相談を受けていると、大切なご家族を亡くされたばかりの方から、お電話をいただくことがあります。「これから、何をどういう順番でやればいいのか分からなくて」。そうおっしゃる声は、たいてい、とても疲れていらっしゃいます。
家と住宅ローン、手続きの期限のことは、専門家の解説の記事にまとめました。こちらでは、そうしたご相談を受けるなかで、わたしが感じていることを書いてみます。
悲しむ時間より先に、やることがやってくる
大切な人を亡くしたあとは、本当なら、ゆっくり悲しむ時間が必要です。ところが実際には、届け出、年金、銀行、保険、そして家のことと、やらなければならないことが次々にやってきます。しかも、期限があるものも少なくありません。
よく耳にするのは、「この家に住み続けられるのかな」「ローンはこれから自分が払うのかな」という不安です。住宅ローンを組んだ金融機関に連絡すると、団体信用生命保険でローンが返済される場合もあります。それが分かるだけで、少し肩の力が抜ける方もいらっしゃいます。
家のことは、急いで決めなくて大丈夫です
「家を売ったほうがいいんでしょうか」と聞かれることもあります。わたしは、すぐに答えを出さなくていいとお伝えしています。亡くなった方と一緒に暮らしていた夫や妻には、遺産の分け方が決まるまで、すぐに家を出なくてよい権利があります。まずは期限のある手続きを片づけて、これからの暮らしとお金の見通しが立ってから、住み続けるか、売るか、貸すかを考えれば間に合います。
心も体も疲れているときに大きな決断をすると、あとで「もう少し考えればよかった」と思うことがあります。家は、ご家族の思い出が詰まった場所です。だからこそ、ご自身のペースで、落ち着いて選んでほしいと思っています。
「何から聞けばいいか分からない」で大丈夫です
相続の手続きは、司法書士、税理士、年金事務所、金融機関と、相談先がばらばらです。どこに何を聞けばいいのか分からず、手が止まってしまうのは、ごく自然なことです。
当社では、家と住宅ローンのことを入り口に、必要な専門家と一緒に、やることの順番を整理するお手伝いをしています。「まだ何も決められない」「とりあえず話を聞いてほしい」。そんな段階でも構いません。気持ちが少し落ち着いたら、気軽に声をかけてください。