2026年10月1日から、国土交通省の「リースバックに関するガイドライン」が始まりました。「リースバックの法律が変わったらしい」と、お客様から聞かれることも増えています。
ガイドラインの中身は、専門家の解説の記事で原文に沿って詳しくまとめました。こちらのブログでは、不動産の相談を受けている立場から、このルールで何が変わりそうか、わたしが感じていることを書いてみます。
正直な感想は「ようやく、当たり前のことが書かれた」
ガイドラインを読んで最初に思ったのは、書かれていることの多くは、本来どの業者も守るべきだったことだ、ということです。家賃はいくらか。いつまで住めるのか。定期借家なのか。業者が家を誰かに売ったらどうなるのか。どれも、家を手放してでも住み続けたいと考える方にとって、いちばん大事な情報です。
それでも、相談件数は年間200件を超える水準で続いていて、「家賃の合計がすぐ売却代金を超えてしまった」「解約しようとしたら高額な違約金を求められた」といった事例がガイドラインにも並んでいます。国が「ここまでは伝えなさい」と線を引かなければならなかったこと自体が、残念でもあり、必要なことだったとも感じています。
このルールで、これから起きそうなこと
ここからは、わたしの見通しです。あくまで予想ですが、次のような変化が出てくると考えています。
1. 契約までの説明が長く、丁寧になる
家賃や契約期間、買戻し、第三者への売却の影響まで伝えることがはっきりした以上、説明の時間も書類も増えるはずです。「その日のうちに決めてください」という進め方は、通りにくくなっていくと思います。
2. 「家賃と買取価格の根拠」で、業者の差が見えやすくなる
価格と家賃の算定根拠や、「売却代金が家賃の何か月分か」の説明が望ましいとされました。根拠をきちんと示せる業者と、示せない業者の差が、お客様から見えやすくなるはずです。複数の会社の条件を比べる方も増えると思います。
3. 「普通借家か、定期借家か」がもっと注目される
住み続けられる期間を左右するのは、結局は賃貸借契約の種類と期間です。これまで見落とされがちだったこの点が、これからは契約前に必ず話題にのぼるようになると考えています。
4. しつこい勧誘は減っていく
断ったのに勧誘を続けることや、迷惑な時間の電話・訪問は、もともと禁止されています。ガイドラインでリースバックにも当てはまることが改めて示されたので、強引な営業は減っていく方向だと思います。
5. 一方で、条件が慎重になる会社も出てくるかもしれない
説明や書類の負担が増える分、取り扱いを慎重にしたり、条件を見直したりする会社が出てくる可能性もあります。ただ、それはお客様にとって分かりにくい取引が減る、ということでもあり、長い目で見ればリースバックという仕組みへの信頼が高まるきっかけになると、わたしは前向きに受け止めています。
わたしたちが大切にしていること
ガイドラインが始まったからといって、わたしたちの考え方が変わるわけではありません。リースバックのご相談では、これからも次のことを大切にしていきます。
- 家賃・契約期間・更新・定期借家かどうかを、書面で説明すること
- 売却代金が家賃の何か月分にあたるのかを、一緒に計算すること
- 将来、物件が売られた場合にどうなるのかまで、隠さずお伝えすること
- 任意売却や住み替えなど、リースバック以外の方法とも比べること
- その場で決めず、持ち帰って考えていただくこと
リースバックは、うまく使えば「住み慣れた家に住み続けながら、お金の問題を整理する」ための心強い方法です。だからこそ、ご本人が納得して選べることが何より大切だと思っています。
「うちの場合はリースバックが合っているのか」「いま提示されている条件は妥当なのか」。そんな段階でも構いません。気になることがあれば、気軽に声をかけてください。